酔っぱらいのゲーム話(またはPS帝国は三代続くか?)


XB360NDSのゲームを代わる代わるやってて思ったこと。


やはりPS帝国の三連覇は有り得ないな、と言うこと。


そも、ゲームは「暇つぶし」だった。特に国内に於いては。それはインベーダーゲームであり、ゲーム&ウォッチだった。

そこへ、偉大なるファミリーコンピューターの誕生。その「良くわからないけどハイテク」なオモチャはシンプルなゲームしか生み出せないものの、ハイテク・・・いや、「目新しい」オモチャ故に寛容された。
だが、やはりその「シンプル」すぎる故にもっと美麗な、もっと凄いグラフィックが求められていたのも確かだった。

やがて、その声に応えるべく登場したのが、PC-Engineメガドライブスーパーファミコン。それによる「業界内競争」の発生(激化。とセガ人は言いたい(w)とゲームバブル。業界はある意味2Dの頂点を極めるが、しかし、90年代中盤には行き詰まりを見せたのも確かだった。

それを打ち破るのは、業界外からの新しい血、ソニープレイステーション
対するはセガサターンNintendo64
その競争はN64の出遅れもあるが、ソニーのCM上手、3D、開発の容易性重視によりプレイステーションの快勝に終わる。

が、ユーザーの、開発者の欲望はキリがない。
もっと性能を! 映画に使われているような映像を作り出せるだけの性能を!!


それがドリームキャストを、プレイステーション2を、ゲームキューブを、XBOXを生み出す。


だが、ここでソニーは一つの過ちを冒す。それは業界内首位を占めていたが故の驕りと言っていい。開発ソフトを疎かにしたが為の開発難度の上昇。結果、PS2はまともなソフトが出る迄に数年を要することになった。

が、皮肉にも他のメーカはいずれも先のPSの成功に見習い、この時点で「使いやすい」と評判の開発ソフト、ミドルウェアを揃えていたことは興味深い。
そして、そうして折角「良い条件」を揃えながらもPSからのソフト資産を受け継いだPS2に敗退したことも。


閑話休題

PS2の時代に於いて、一つ問題となってきていたものがある。それは、ゲームがユーザに求めるスキルの上昇。システムの複雑化と言っていい。それは昔ながらのゲームユーザの一部乖離を産み、その副産物としてレトロゲームブームが発生した。

恐らくはこの時点で任天堂は気づいたのではないだろうか?

  • 飽くなき映画のようなグラフィックの追求→コストの上昇
  • ゲームシステムの複雑化→ゲームユーザの乖離・減少

ということに。
事実、レトロゲームブームと符合して新作ゲームの売り上げの落ち込みが叫ばれるようになっている。

間が悪いと言ってもいい。丁度、PS2によるDVD市場の勃興、Windowsの本格普及によるインターネットの一般化、携帯メールの普及などにより、娯楽の多様化が進んでいた。
そんなところにゲームにばかり時間を割けるのはごく一部。結果、ゲームユーザのゲーム離れが目につくことになっていく。
また、ゲーム開発単価の上昇によるゲーム価格の高止まりもそれに拍車をかける。


そこで任天堂はFC20周年に合わせて一つの実験をした。
ファミコンミニという、シンプル極まりないゲームのリバイバルである。
開発費のかからないシンプルゲーム、それが新作と変わらない売り上げを見せるならば、ユーザは現状の複雑なゲームに飽きがきている。或は、ファミコン時代から何も変わらないゲームの操作系にも。

そして、ご存知の通りファミコンミニは空前のヒットとなり(スーパーマリオの再販は、或はNewスーパーマリオの市場調査ではなかったか)、それはまた「新しい何か」であるニンテンドーDSを生むこととなる(この辺り、順番の記憶が怪しい。また、NDSの登場はファミコンミニの実験とは関係がないと思う)。

ともあれ、NDSの登場とその成功により・・・いや、ここに至り、業界はいくつかの結論を得る。

  • ユーザはもはや複雑なゲームを求めてはいない(元の暇つぶしに戻そうとしている)
  • ユーザはカネを出す限りは「新しい何か」を求めている
  • グラフィックの制限のない向上により、開発費が高騰している。手をうつ必要がある。(下手をすればそれはソフト単価にも降り掛かる)

の3点である。
そこで任天堂NDSと同じく「新しい何か」であるリモコンコントローラを装着したWiiを、MSは天下無敵の開発環境を整えた(ヘタレ開発者と言われようが今更VSの無い開発なんて考えられない)XBOX360を登場させたわけだが・・・ソニーはどうか?


ハード重視の視点によるハードの複雑化、そこからくる開発費の高騰、ミドルウェア開発の遅延、そして、パテント絡みによる、もはや標準化した振動機能のオミット、そしてBru-rayディスク搭載による高価格化である。これらはいづれも「我々が業界首位である」という驕りから来ていると思わざるを得ず・・・・そして、そこにはユーザ、開発者共に求めるどれもが存在しない。


果たしてソニーは「帝国は三代続かない」と言うジンクスを作ってしまうのか否か、興味を抱きつつ今日は360版旋光の輪舞 Rev.Xを起動しようと思う。

・・・もう一本ビール買ってくればよかったかな。