日立のMSX2の仕様に翻弄された

1986年、パナソニックソニーは、それまで5万円以上が標準だったMSX2の価格を一気に引き下げる、FS-A1、HB-F1をリリース。その安さから、当時の「パソコンが気になっていた少年少女達(我々のことだ、わかっとるか)」の支持を受けて一気に普及台数を伸ばすことになった。

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 が、新しく安いモノが出るならば、古くて高いモノが残るのは世の常。当時の家電量販店には、「型遅れ」となってしまったMSX2達が並び、定価を無視して、場合によってはFS-A1、HB-F1以下のプライスタグを付けられていた。

となると…今度は逆にそっちに目をつける捻くれたヤツも出てくる。そう、当時の私のように。
私は(やめればいいのに)、19800円というそれらのMSX2の中から、日立のMB-H3、キヤノンのV-25という機種に目を付けた。前者は手書きタブレット付き(!)、後者はとにかく格好いいデザインがウリである。

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結局、数日悩んだ上でV-25を選択したのだが、マトモに知識のない中でこれを選んだことを、その後1年悔み続けることになる。
ご存じの方ならば既に数行前でニヤニヤされていることであろう。そう、MB-H3と共に、この機種はVRAMが通常128KBの半分、64KBしかないのである!!!
しかも、MB-H3の方はまだ日立によるVRAMアップデートサービスが行われていたにも関わらず、V-25の方は放置。友人達には散々「新しいMSX2のゲーム買ったケド…あ、お前のでは遊べないね」とからかわれたのだった。
その後、私は雑誌の売買コーナーを駆使して、毎年のようにリリースされるMSX系の新型に買い替えることになるのだけど、まあそれはおいといて…この30年、ずっと気になっていたことがある。
先のMB-H3、VRAMが増やせるのならばそのように設計されているハズ。ならば自分の手でそれをやってみたい! 幸いにして情報はこちらにあったので、あとはモノを手に入れるだけである。早速オークションにてジャンク品のMB-H3を入手してみた。
どっこい、いざRGB to HDMI接続で繋いでみたら画面が映らない。

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電解コンデンサが逝っているのでは?と言われたので、せっせと基板上のコンデンサの仕様を調べたりしてみたが、試しにビデオ出力で繋いでみたらちゃんと動く。

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RGB信号はVDPで生成して、そこからゴニョゴニョしてビデオ信号にしているハズ。ということは、RGB端子周りが怪しい?
…とここまで考えたところで、私がMSX2を手に入れるより前は、同じRGBでもピン配列が異なるモノがある、という話を思い出した。
果たしてMSX Resource Centerで調べたらご覧の通り。見事にピン配列が違っていましたorz
これはRGBケーブルを入手して改造する必要がありますね…。

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とりあえずまたオークションでRGBケーブルを入手しました…