「直感的操作でわかり易い」という言葉に対する誤解

ここ数日ちょっと話題になっていた森公美子さんのiPhone騒動。

森公美子さん、一転してiPhone絶賛 ブログで「ダメ、無理」→「アップルすごい!」

一見これ、使い方までレクチャーしてくれないSB販売員が悪い様に見えます。が・・・そもそもにして彼らは
売ることが仕事であって、携帯の使い方を教えるのは仕事じゃないんですね。
ではどうするか。iPhoneにはマニュアルは付いてきません。「直感的でわかりやすいから」だそうです。・・・いやまあ私はマニュアルなんてほとんど見ないで触って覚えるので別にいいんですけどね。

ただ、やはり何の知識もない人間に、マニュアルも無しで機械を渡すのは無謀です。これは別にiPhoneに限った話ではなく、「普通の携帯」でも同じ様な状況でマニュアルもなしに渡されたら、やはり皆同じ様に面食らうでしょう。そしてこう叫ぶんです。

使いづらい!
文字入力するのに数字キーを何度も押すなんてダサい!ありえない!
ウェブがまともに見れない?!ナンセンス!
方向キーが使いづらい!これで上下左右なんて悪夢だ!
つーかアプリの操作性がバラバラでわからん!

てな感じにw

この場合の知識、というのは操作方法の習得の経験そのものです。これは容易であればあるだけよろしい。一番簡単なのは他人に聞くことで、これは森公美子さんも最終的に行われたこと。
でも、じゃあこの辺り、アップルがまったくの無策だったのか、というと、実はそうではなくて、アップルのサイトにいくと、ちゃーんとビデオガイドが用意されてたりするんですね。

だから今回の場合、無理に戦犯探しをするとすればそれは・・・ええと、そういうガイドがあることを教えなかったSB販売員であり、それの存在を知らなかった森さん自身であり・・・いや、良く見たらそもそもiPhoneの箱にもマニュアルにもそういうことが書いてない。やっぱ悪いのは・・・(^^;
これはやはり「ウチの製品買うならウチのHP位見るのは当然だよね?」というアップルの驕りがこういう事態を招いた、と考えていいのではないのかと思いますがいかがでしょうか。


ただ、ここで一つ申し上げておきたいのは。
今回の事例で、iPhoneはわかりづらい、直感的操作なんて言ってるケドわかりづらいじゃん、とかいう結論に至るのはまったく的外れである、ということです。
そもそもにして本質的にiPhoneは携帯ではありません。タッチパネルを採用して、UIをタッチ専用に改良を加えて、電話用のチップとアプリを加えたMacOSXマシンそのものです。そこに彼女のように、あるいは少しだけ触ってわからない、とiPhoneを敬遠した方々のように、これまでの携帯の知識を適用しようとすること自体が間違いなのです(その時、貴方の脳は既存概念に囚われて、この新しい直感的操作を受け入れられない、否定的な判断をしようとします)。
これはiPhoneという「新しいジャンル」の端末なのです。ですから、新しい操作方法を習得しなくてはいけないのです。
勿論、それは面倒です。ですが、心配はありません。何故ならばiPhoneのUIは直感的であり・・・故に習得にかかる時間は短く済むはずだからです。
「慣れ」というスキルを使用すれば、それは恐らく既存の携帯の方が「使い易い」と感じるでしょう。ですが、是非一度そのスキルを封印してiPhoneの操作を覚えてみて下さい。そうすれば直感的操作の良さと、それによる「慣れ」というスキルを超えた使い勝手、心地の良さが体験できるはずです。



まあ・・・ただ、ね。何せ作ってるのがあっちの会社なんでイマイチSafariが安定しないとか、iPodで曲を聞きながら3rdのアプリ使ってると遅くなったり、運が悪いと落ちるってトコはガマンできないケド、ガマンしなくちゃいけないところで・・・この辺りは今後のバージョンアップに期待すればいいんですかねぇ。