子供にプログラムを理解させたい、と思った

別に皆が皆プログラミングをすべきだ、とは思わない。
ゲーム、ネット、音楽、ムービー、etc...エンタテイメント、インフラ、文房具としてのパソコン、というのは正しい姿だと思うし、そうあるべきだと思う。
クルマの整備の仕方がわからなくても皆がクルマを操っているのと同様に、コンピュータの仕組みを知らなくてもPCを使い、それを「使いこなす」、と呼ぶことが許される時代に、今はなっている。
CUI?プログラミング? 現代のPCのユーザにそれらを触らせるのはナンセンス以外の何者でもない。
ヒトはもっとヒトに近いヒトの為の思索、創作活動をすべきだと思う。

とは言え、やはりプログラミングは楽しいし、マニアにはCUIは必需品なのだろう。80年代初頭にMacintoshを目にしてからGUI原理主義者になった私には後者は理解できない*1が、前者には大いに賛同する。そもそも、そうでなければ今の仕事はしていない。
何よりプログラミングは先に挙げたヒトの為の思索、創作、果ては生活、経済活動を助けるモノを作ることができる。これはとてつもなく魅力的な創作活動だ。
それに簡単なプログラムができると、コンピュータの理解が深まり、ユーザとしてのレベルを上げることができる。クルマのエンジンやミッションをバラすことはできなくても、タイヤの空気圧やエンジンオイルのチェック、パンク時のタイヤ交換位はできた方がドライバーとしては望ましいのと同様に、これもまた「使いこなす為にはあった方が望ましい知識」だ。

しかし、一昔前ならいざ知らず、現在はこんなにも多数の開発環境が氾濫しているというのに、本当の「素人」が触ってすぐに理解できるようなモノが見当たらない。
それは勿論先に述べた様にPCがもはやそういうモノを必要とする機械ではなくなったからだが、さりとてこの状況では職業プログラマと超マニア位しかプログラミングの楽しさを知らない世界、という非常に寂しい未来予想図が現実のものになってしまう・・・。


以上、前置き終わり。
なんか偉そうなこと書いてますが、要するに、現在我が家では家族用にiMacを与えているのだけど、これがまたメールとWeb、FlashゲームとiTunes位にしか使われておらず、それ以上は「怖くて触れない」とか言い出す始末、それどころか未だに我がムスメ達は私の仕事がどんなものであるかちーとも理解していない、という非常に寒い状況をなんとかすることはできないか、と思った次第であります。

と、そんな嘆きをTwitterに投げた所、「Scratchはどうか」というReplyが。
で、調べてみたところ、これがまた・・・

実は割と前からあるモノなんですね。私が知らないだけだった?と言う訳で公式サイトから早速DL

SCRATCH
※上部右端のLanguageをクリックして日本語を選択すると日本語表示になります

アプリの方も多言語対応済み。言語ボタンを押すと・・・

英語は勿論

ひらがなにも!・・・って、いやひらがなの場合「きょうゆう」って表現はどうかな?

組み方は簡単、やりようによっては簡単なゲームなども作れる様なので、発展性もまずまず。言えば実用系は作れそうにはありませんが、入門用としては必要にして充分。これでコンピュータを思い通りに動かす楽しみを覚えてくれればしめたもの。


簡単な例。これだけで猫が画面を左右に行ったり来たりします(戻る時上下逆になるけど

これの素晴らしい点はもう一つあって、それは公式で発表の場が用意されているということ。やはり作るだけではなく、作ったモノをヒトに見てもらえる場があるとモチベーションがあがりますからね。
この辺り、かつてはあのベーマガが果たしていた役割なのですが、同誌が休刊したことで同好の士が集うメディアが無くなっていたことが、アマチュアプログラム衰退の一因ではないかとも思っていましたので感心することしきり。抜け目がありませんね。

ちなみに先日早速我が家のムスメ達にも触らせたのですが、長女は最初は面白がったもののそれっきり、次女は「ふーん」でしたorz
一番の敵は無関心のようですね・・・。

スクラッチアイデアブック―ゼロから学ぶスクラッチプログラミング

スクラッチアイデアブック―ゼロから学ぶスクラッチプログラミング

*1:本当は理解しているがそれを認めたくない